大東流が日本の伝統武術と言えるかと言えば色々な意味、色々な部位において問題がある。少し考えてみよう。
@傳書資料は明治以降のものしか発見されておらず、江戸期の資料は存在しない。
●検討
最古のものは明治三十二年位のものであり、だとすると講道館柔道よりも時代の降る新興武道と言う事になる。
A稽古内容は技法傳に過ぎず、形傳承がないこと。
●検討
この点は全く日本の古傳武道の伝統を外している。講道館柔道ですら開祖(嘉納治五郎)制定の古典形が傳承している事に比べても伝統的ではない。
B形稽古法をとっている系統もあるが、昭和以降に纏められた制定形である。
●検討
その通りであり、現在施行される形と技法、その体系は昭和以前に存在しなかったものである。
C傳承される内容は同流の古典傳書とは殆ど一致しない。
●検討
その通りであり、大東流が古武道でないと言われる由縁……ではなく、管理人は大東流に非ずと解く。
D形名が存在しない。
●検討
その通りであり、これも伝統的ではなく、日本の伝統武術の基本から逸脱している。
E技法傳をみると絞め業がない。
●検討
技法と言うものは変化で色々な事が行われなわれ、あらゆる技術がないとは言い切れないが、流儀の古典的な立場からは確かに存在せず、殺活自在を極意とする古傳柔術に比較するとこの点も確かに伝統的ではない。
F古傳文化が育んだ兵法教傳、精神文化の部分が欠落している。
●検討
古傳柔術には大体において開祖が至った境地、究極極意の世界を認めた祕傳書文化が付随するが大東流には存在しない。
G伝統される技法傳が比較的単純である。
●検討
古傳柔術で見られる裏の裏をとるような高度な技術は窺えず、比較的単純な護身術技法で構成されている。
H古流柔術が工夫し、醸成した乱取、組討文化は存在しない。
●検討
大東流としては確かに傳承していないようである。
I古流柔術の秘法として伝えられた當身殺活祕傳が伝えられていない。
●検討
しかりである。當身技術自体は技術伝の中に存在伝えられたが、殺活秘法は失伝しているのか傳承がない。
J捨身業が存在しない。
●検討
日本柔術の特徴と言える技術伝ではあるが、捨身業は傳承していない。
K足払い系の技術がない。
●検討
やる系統もあるが、古典業の中には存在しない。
L得物攻撃の理念がない。
●検討
古典柔術は得物を持った攻撃である事を由因として独特の体捌きが伝えられているが大東流の場合は伝統的な技術が伝わっていない。
M指を開いた手刀攻撃が主体なっている。
●検討
本来の大東流は別として一般的な大東流は指を開いて打ち込む。これは日本柔術の伝統を逸脱している。
N捕縄術の伝がない。
●検討
大体の古流柔術が奥伝として伝える捕縄伝の伝わりはないようである。
O秘武器伝がない。
●検討
普通の古流柔術は奥伝、祕傳としてかなり独特の秘武器伝を傳承しているが、大東流にはその伝がない。
P古流柔術が各流儀の秘法として伝える様な独特の錬法功法が存在しない。
●検討
現代合気道は膝行法という古柔術の錬功法の一つを取り上げて錬磨するスタイルを形成したが、逆に大東流にその様な理念が最初からあったわけではない。
|